六本木、比呂が「ビッグコミックオリジナル」に取材されました

オリジナル名物こだわりの店 by伊丹由宇

30年以上前に通った思い出の店

六本木という最先端の街で
40年以上変わら厭い明石焼

「流行の最先端だった六本木で、40年間ひたすら姿勢を変えない店があ
る」。「居酒屋だが、明石焼や明太子ガーリック・ライスが旨いらしい」
等々の情報を入手、三段跳びの美味を求め、すぐさま六本木に向かった。
少し迷って店の扉を開いた瞬間、流転変転バック転、鮮やかに30年前が蘇った。
マスターが私の顔を眺めて首を傾げる様子。、なんと私がロング・ヘアにバンダナで六本木を自分
の庭にように遊び呆けていた時代、常連として通った店であった。
マスターの名前は、俊藤正弘さん。1970年前後に吹き荒れた“東映任侠映画”大ブームで高倉健や菅原
文太等を輩出し、「首領(ドン)」と呼ばれたプロデューサー俊藤浩滋氏の息子であり、緋牡丹博徒シリーズの
お竜で一世を風靡した藤(現・富司)純子さんのお兄さんでもある。
「あの頃は、朝の8時頃まで開店してましたよねえ」「今でも朝5時まで
やってるよ」。いきなり昔話に突っ込む。「そうか一」私が膝を打った。「当
時“多古坊”て、明石焼の店を……」
「そうそう、あれは33年前か。3つの店をひとつにして、この店に纏めた.
ってことよ」
昔話ほどいい酒の肴はないが、まずは明石焼を食べる。まったく変わりのない味わいだ。兵庫県明石の名
産で、兵庫の人達は「玉子焼」と呼び、外からは「明石焼」と称される。
その形状からは誰もがタコ焼を連想するだろうが、実は明石焼を真似た
のがタコ焼なのである。明石焼は、熱い出汁につけて食べる、タコ焼より、アッサリとより上品な味わ
いである。懐かしさが「じゅわ一つ」と口の中に溶けて行く。嬉しい。逮捕したくなる旨さである。
「あの頃、明石焼を出す店なんて殆どなかったし、ちょっとモダーンな感じでしたね」「いやあ、俺が銀座の
“おそめ”(大・名店!)でシェーカーを振ってた頃、一軒あってね、そこ
で教わったの」
麦酒からホッピーへ変えたあたりで、もうひとつの逸品を思い出した。砂肝炒めである。「いやあ、六本木も
すっかり変わっちまってさあ」「そうですよね。昔はお酒落でセンスがあ
って…・・・」「それが今じゃ・・・・・・」と嘆く俊藤さん。でも、この店だけはまったく変わらない。「なんだかねえ、
俺も67歳になって……」「ええっ!」その若々しさに驚く。それも毎晩自
分でオーダーをとって、お運びさんまでこなす。ウオーッ、六本木世界
人間遺産だあ!
「ガーリック・ライスが名物でしたよね」「そうそう、ステーキハウスの料理人が教えてくれてね。最近はもっと進化して……」。
出て来たのは、明太子を載せた1品。いやあ、ライスと明太子のハーモニーが素晴らしい。詳しくいうと、フレッシュなガーリックの香りに、柔らかい辛味が信条の明太子が、お互いを引き立てあって、
デュエットを奏でるが如し。これは「砲丸投げの金メダル」と命名しよう。「これもお客さんに教わったメニューでね。
ウチはなんでもかんでも取り入れて、真似ばっかりしてる(笑)」
しかし、店の中にはクッキリと「昭和の香り」が残っている。次回から
「時を止める扉の店」と呼ぼうではないか。ウェイトレスは、『時をかける少女』原田知世サンにお願いしたい。長く生きただけ想い出もメガトン級(と、表現も古い!)。
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4 Responses to "六本木、比呂が「ビッグコミックオリジナル」に取材されました"

  • 匿名 says:
  • 匿名 says:
  • dani says:
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